フォーム材(スポンジ)の構造。連続気泡と独立気泡。
フォーム材(スポンジ)はその気泡の構造で2種類に大別することができます。
一つは、ウレタンフォームに代表される「連続気泡構造体」、
もう一つは、汎用PE(ポリエチレン)フォームやゴムスポンジに代表される「独立気泡構造体」です。
(※PEやゴムスポンジでも、連続気泡構造をしたものは特殊ではなく、一般的な製品としてあります)
上図左のように、連続気泡体は気泡がつながっており、気体や液体は通り抜けることができます。
気泡内に液体を含ませて汚れを取る吸水クリーナースポンジや、
洗剤を含ませて食器や自動車を洗うスポンジ、
気泡内に音を反射させて熱エネルギーに変換することにより消音 / 防音効果を持たせる吸音フォームは
この類のスポンジです。
また、圧縮した際には中の空気が出て、圧縮を解放すると、再度空気を含んで復元するため、
独立気泡構造をしたものに比較すると、一般的につぶし可能量が大きいと言えます。
また、限界近くまで圧縮することにより気泡をなくして、物と物の間にはさみこんで、
その復元力ですきまを埋めてシール効果を持たせる使い方もできます。
一方、上図右のような独立気泡構造体は気泡がそれぞれ独立して並んでおり、
気体や液体はスポンジの中を通過できません。
水が入り込まず、水に浮くため、水泳用の補助具や、各種液体 / 気体のシーリング材(パッキン)などに
使用されます。
連続気泡構造をした材質より物理的強度が一般的に高いため、通函用の緩衝材などには
PEフォームを良く見かけます。
また、連続気泡体のような復元力はなく、一度でも限界を超えて、中の気体が外へ出るほど潰してしまうと、
それは材料が破壊されているということになり、復元はしません(いわゆる、ヘタリの状態。)
ウレタン、ゴム、PEなど用途に応じた材質の使い分けはもちろんですが、
上記のように用途に応じた気泡構造を選定するまで気を配ると面白いと思いました。