「”おもに”スポンジを加工している会社です」
「何をしている会社にお勤めですか」と質問されることがしばしばある。
回答の仕方が難しいな、と、いつも思う。
がんばって一言で伝えようとすると、多くの場合うまくいかない。
「大型自動車や建設機械の内装部品などに使われる樹脂、主には発泡樹脂の加工を営んでいます。」という、
最も簡潔かな~とこちらが思う回答でも、相手が業界に身を置く方でなければ、イメージが掴みにくい。
「バスやショベルカーなどの中に使われる、プラスチックやスポンジのパーツを製作しています。
軟らかいものが多いので、それらを利用して梱包用の緩衝材や箱の製作もしています。」という説明だと、
用途を自ら限定してしまって、長い説明の割には内容が薄く、すっきりしない。
実際のところ、建築資材やOA機器、産業機械用の部品も製作しているので、説明としては不十分な気がする。
「”おもに”スポンジの加工をしています」結局、時間はかかるが、これが一番良い気がする。
状況にもよるが、一言目で多くを語らなければ、次の質問をもらうことができる。
「どのようなものか?」、「どこに使われるものか?」など。
相手方が疑問に思うこと、興味を持って聞きたいことが何であるかのヒントを貰える。
相手方に合わせて説明する。
その上で知ってほしいこと、伝えたいこと、教えてあげたいことなどを追加すると、よりお互いの理解が進む。
そもそも、商売自体が対話で成り立つ。自分が売りたいものを一方的に押し売りすることはできない。
できたとしても、その関係は脆く、継続しがたい。
相手がほしいものは何か、どんな問題を解決したいのか、そのためにはどのような形でこちらが協力できるか、
お互いの理解が進むと、関係も品質も良くなる。
需要を吸い上げること、情報を受信すること同等に、こちらができることを発信することも重要だと思う。
お客様と相互に理解し合い、関係と品質を向上させていく会社でありたい。